肩の痛みが強い時の対応のポイント

  • 目的と効果:患部の負担を減らし、痛みをコントロールする。
  • 痛み・症状のない範囲で、体操を継続する。
  • 痛み・症状が増悪する場合は、体操を中止する。

急性期・炎症期の症状

肩の痛みが強い時期は、肩関節の筋肉や靭帯などに炎症が起きている状態です。

主症状は痛みです。腰を触ると痛い(触れない)、反対の肩を触ると痛い(触れない)、また、夜寝ている時に痛くて目が覚める(夜間痛)といったことが起こります。

痛みが強い時期、特に、夜間痛がある場合は、痛みのコントロールが重要になります。

リハビリでは、肩の痛みのコントロールをするために、投薬または注射、日常生活の姿勢や動作の工夫、患部外の胸椎や肩甲骨の運動、痛みの生じない範囲での肩の運動(例:コッドマン体操)などが行われます。

* ステロイド注射は即時効果があることが多いですが、 注射を打たない医師もいますので、整形外科クリニックを受診する際は事前に調べましょう。

痛みが軽減してくると、肩関節の可動域が制限されます。

腕が上がらなくなることに不安を感じるかもしれませんが、炎症期を過ぎ、肩関節を動かせる時期になります。この時期から、リハビリ、自主トレなどを積極的に行なっていきます。

寝る時の姿勢

あお向けに寝る時は、肘の下やお腹の上にタオルやクッションを置くと肩の負担が減ります。

横向きに寝る時は、大きめの抱き枕を使いましょう。反対の肩を触れない場合、腕がベッドに落ちることで肩に負担がかかり痛みを起こします。

日常生活で気をつける動作

腕を90°以上挙げると痛い、腕を横に挙げると痛い場合は、「腕は90°以上挙げない、胸の前で腕を伸ばす(横に伸ばさない)」ようにしましょう。痛みをコントロールするために肩に負担をかけないようにしましょう

日常生活で気をつける更衣動作

「脱ぐときは良い肩から、着るときは悪い肩から着る」ようにしましょう。首から通す服だと痛い、きつい場合は、前開きのシャツなどにすると肩の動きが少なくなり、負担が減ります。痛みをコントロールするために肩に負担をかけないようにしましょう

体操:胸椎伸展

肩(患部)以外の部位を動かします。

座った状態で骨盤を立て(前に傾け)ながら、胸椎を伸展させる(写真左)

座位、身体を前傾させ机に前腕をつき、胸椎を前方向に動かし胸椎を伸展させ深呼吸をする(写真右)。腰がそりすぎないように注意しましょう。

体操の目安:6〜10回、午前(朝)・午後(夕)に行う。

体操:肩甲骨を動かす

肩(患部)以外の部位を動かします。

手は膝に置いたままか、肩に置き、肩甲骨を動かします。肘から動くと肩の動きになってしまうので注意しましょう。

体操の目安:6〜10回、午前(朝)・午後(夕)に行う。

コッドマン体操

机などに手または前腕をつき、腕を床方向に垂らします。肩の力を抜いた状態で、上体を前後に動かします。

体操するスペースがない場合は、上体を前に倒す(前屈)ことを行いましょう。

体操の目安:30秒を3〜6回、午前(朝)・午後(夕)に行う。